カルロス・ゴーン氏の栄光と逮捕に思うこと

雑記

おととい、日産のカルロス・ゴーン氏の事情聴取、そして逮捕の一報がありました。

 

これから様々なことがマスメディアを通して伝えられると思うのですが、

強く感じた点は2つ。

 

・これまで散々もてはやされていた分の反動が大きい

 

・日産がV字回復を遂げる過程で、リストラされた人、切られた取引先、強力な値下げ圧力を受けた業者は、相当溜飲を下げたのではないか

 

カルロス・ゴーン氏は、文句のつけようがないほどのエリート一直線で人生を歩み、

様々なところで結果を出し、実際日産のV字回復の立役者になった。

 

一方、よくも悪くもしがらみがなく、徹底的なトップダウン体制を敷いていたので、ゴーン氏の決定が全て、工場・土地など重要性が低いものは全て売る、苛烈なリストラは行う、ケイレツは解体する、下請けには注文量を上げるかわりに大きく値下げ圧力をかけるなど、日本人ならウェットな感情が影響してなかなか難しいであろうことを次々と行ってきました。

 

よほどドライに割り切れる人であればともかく、リストラを行うことは、行う側も、される側も相当な負担を伴います。

 

リストラされた人は路頭に迷いますし、実際にリストラを行うのはゴーン氏から命令を受けた人なので、ゴーン氏が直接リストラ対応の矢面に立つわけではありません。

 

また、工場などの売却、撤退など、地域経済や雇用に与える影響も大きかったでしょう。

 

ただ、実際V字回復という結果が出て、私も含め、一般の人は「カルロス・ゴーン氏はすごい」と思っていた。

 

 

そのところで、おとといのカルロス・ゴーン容疑者逮捕ニュース。

 

これまで、日産を回復させるためにと思って頑張っていた現場の社員や、取引先

ディーラー、リストラした人、された人、切られた取引先などあらゆる関係者、元関係者が、

 

「おい!これまでの苦労はなんなんだ!」

 

と言いたくなったのではないかと思います。

 

もちろん、日産ユーザーや自動車会社も、日産に対し、現場の人に言っても申し訳とはいえ、さまざまなことが言いたくなるでしょう。

 

今回のカルロス・ゴーン氏逮捕の件については、原因究明が待たれます。

 

そして、これまで多くの現場で汗をかいた人たちに失望を与えたのは間違いないでしょうし、日産のV字回復の陰で犠牲になった人たちが、本当に複雑な気持ちでしょう。

 

今回の事件は、勝てば官軍であっても、一夜にして賊軍になることもあるという教訓を残しています。

 

だからこそ、うまくいっている時ほど謙虚に、と改めて感じます。

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