一万円札にも起用された、渋沢栄一氏の著書、論語と算盤、そして常識人の肯定

今日、紙幣の改定があり、一万円札には渋沢栄一氏の肖像が利用されることになりました。

渋沢栄一氏といえば、日本の資本主義における父とも言われています。

 

Wikipediaによると、

”第一国立銀行ほか、東京瓦斯、東京海上火災保険、王子製紙(現王子製紙・日本製紙)、田園都市(現東京急行電鉄)、秩父セメント(現太平洋セメント)、帝国ホテル、秩父鉄道、京阪電気鉄道、東京証券取引所、キリンビール、サッポロビール、東洋紡績、大日本製糖、明治製糖、澁澤倉庫など、多種多様の企業の設立に関わり、その数は500以上といわれている。”

と言われ、まさに日本の資本主義の父的存在です。

 

有名な著書といえば、論語と算盤。

この書籍は以前より読み継がれており、現在でも活きる部分は多いですが、今の書籍に読み慣れていると、とっつきにくい部分がありますので、もし興味があれば、論語と算盤の現代訳書や解説書にあたってみると読みやすいと感じます。

 

私が以前目を通していたのは、論語と算盤 モラルと起業家精神

という書籍で、こちらは論語と算盤をより具体的に、ビジネスにあてはめ、わかりやすく解説しています。

一つ興味深い点を挙げると、「凡人」のことを、「全てに秀でているすごさ」として強調していること。

 

本書 では、英雄と言われる人に対する見方が面白い。何かの 能力が飛び抜けていたから 英雄となったわけだが、たいてい英雄は人格が偏っている人であり、 それよりも、私たちは常識 人でありたいと渋沢は言う。常識 人とは「 知、 情、 意 の 三つが調和し、 偏る ことなく発達した人」 のことだ。 世の中で求められている人材は、 英雄ではない。いつも必要とされるのは、 知性と思いやりと意志の調和が取れた常識人だ。

渋沢栄一. 論語と算盤 モラルと起業家精神 (Kindle の位置No.3786-3790). 日本能率協会マネジメントセンター. Kindle 版.

 

としており、知性と思いやりと意志の調和に重きをおいています。

 

スティーブジョブス・イーロン・マスクなど、極めて優れた存在は耳目を集めるものですが、渋沢栄一氏は、「知性と思いやりと意志の調和」のとれた常識ある人を”すべてに秀でた凡人のすごさ”というトーンで肯定しており、興味深いです。

 

他にも渋沢栄一氏は、原著、解説書を含め多数書籍がありますので、興味があれば目を通されるといいかと思います。

 

 

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